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【福井県】全国公益活動開催報告「スキージャム勝山」救護ボランティア 
2018年03月02日
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「スキージャム勝山」救護ボランティア


 (公社)福井県柔道整復師会奥越支部では、17年前からスキージャム勝山で柔道整復師の職能を活かした救護ボランティアを続けています。
 スキージャム勝山は、20〜30万人が訪れる大きなスキー場です。特に関西からの交通アクセスが良いので、スキーシーズン中は大阪弁で大変賑やかになります。遠くは四国や岡山からもバスなどで来られます。近年、スキーヤーよりスノーボーダーが多くなり中高年はスキー、若者はスノーボードを楽しんでいます。
我われ柔道整復師は、日曜・祝日に1〜3名でパトロール本部の処置室に待機します。午前中は負傷者も少なく、仲間内での情報交換やコミュニケーションを深めて親睦を図ったりしています。時には、我われが到着するのを待っている負傷者もあり、滑り始めて早々に怪我をしてしまって休日を棒に振ってしまうかわいそうな人もいます。
 午後からは負傷者が増えてきます。スキーに比べてスノーボードは負傷者も多く、負傷の程度も重い様に思われます。転倒した時に手をついたり、肘をついたり、肩を打ったりして上肢を損傷することが多いです。前腕骨骨折や肩関節を脱臼したり、まれに肘関節脱臼もあります。骨折・脱臼は応急手当で整復・固定をします。我われの整復は、麻酔などを使えないので、前腕骨下端骨折の整復をした時に「お産の時よりも痛かった」と言われたことを思い出します。なるべく苦痛の少ない整復を心掛けたいものです。脱臼は整復すれば楽になるので、またゲレンデに出て滑ろうとする負傷者もおりますが、しっかり治さないと習慣性になって脱臼を繰返すので、安静を指示します。
 転倒して頸部捻挫、ぶつかったりして胸部や背部打撲、腰部捻挫、膝の靭帯を傷めたり、大腿・下腿の筋を負傷したりして様々な怪我が発生します。骨折や脱臼、強い捻挫・打撲などは、施療を継続して貰う為に紹介状を書きます。その報告書が届くと、施術者の判断そして処置が間違っていなかったか確認ができます。これも我々自身の勉強になります。
 以前は、スキージャム勝山もシーズンに30万人以上が押し寄せて、駐車場が満杯になり、近くのスキー場に回って貰うこともありました。その頃は負傷者も多く、手当を待ってもらうような状況でしたが、近年は多い日で10〜20人、少ない日で数人を手当てしています。怪我をしてすぐに手当てして貰えることは、苦痛も少なく予後も良いでしょう。手当てした負傷者からも「ありがとうございました」と感謝され、礼状が届くこともあります。
 柔道整復師は診断機器が無くても、応急手当で骨折・脱臼の整復ができます。電気や水道の止まった災害地でも負傷者の手当てができます。しかし、それには高い能力と技術が必要です。
スキージャム勝山では、負傷して間もない骨折・脱臼の整復・固定やいろいろな外傷の手当も行います。柔整学校からの臨地実習の話もあり、柔道整復師の本領を発揮する場、研修にも最適です。奥越支部だけでなく、他支部からも積極的な応援をえて救護ボランティアを続けています。このような活動を長く続けることで柔道整復師が広く認知され、より必要とされることでしょう。
公益社団法人福井県柔道整復師会広報部 門 浄治





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