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【岡山県】全国公益活動開催報告西日本豪雨災害 岡山県柔道整復師会のとりくみ【平成30年7月】
2018年11月06日
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西日本豪雨災害、岡山県柔道整復師会のとりくみ
         
(公社)岡山県柔道整復師会  広報部長  永田正太郎

 平成最後の夏、西日本豪雨災害は「晴れの国・岡山」にも甚大な被害をもたらしました。私たち(公社)岡山県柔道整復師会は県内14市町村と「大規模災害時の避難所における人道支援活動」の協定を締結しています。
 もちろん今回被害の大きかった倉敷市(2015年)総社市(2014年)とも同様の協定を結んでおり、災害直後から協力要請が見込まれたため、7/10に(公社)事務局に災害対策本部を設置し準備を進めていました。そんな中、社団の動きよりも一足早く被災地域の含まれる倉敷・備中支部の会員の有志数名は被災直後の7/8に被災地入りし現地調査とボランティアを始めてくれていました。
 災害直後から、多くの団体や個人の方々がボランティアとして被災地に入られていましたが、歴史的な猛暑とも戦いながら「私たち柔道整復師にできることはなにか?」この答えを探すような我々の活動が始まりました。
 まず、プライバシーも確保されていない状況の避難所に、会員が2人一組になって出向き、被災した家の片付けや避難の際に負傷した被災者の応急処置、主に骨折、脱臼、捻挫の施術を行いました。
しかし、時間の経過とともに被災者の怪我や体調不良は普段我々が目にしない症例が増えてきます。長靴に泥が入ってきての擦り傷や鋭利なものによる切り傷は感染症が懸念されるため洗浄を指導し、連日の猛暑にも関わらず屋外での作業をしている被災者の中には熱中症とみられる症状も多く、その指導と対策も多くの時間と人員を必要としました。
 また、避難所の硬い床で寝ている高齢者からは「体のあちこちが痛い」との声も聴きました。長時間、体を動かさず放っておくことによってエコノミークラス症候群になる恐れがあり、これは、2016年の熊本地震でも注目された災害関連死につながります。
 避難所生活が長引くほどこの危険は増すため、私たちは「脚にむくみや傷はないか?」などと声をかけながら慎重に見て回り、同時に血流を改善する施術を繰り返しました。その中には血栓が見つかり入院に至った例も複数見受けられました。
また普段診ることのない症例や、気になることについてはSNSなどで情報を共有しながら、地道なケアを長期間にわたって行いました。
 被災地は甚大な被害に見舞われ、医療機関も浸水。そのため怪我や体調不良でも湿布だけでしのぐ被災者も多く、またエコノミークラス症候群の予防のため、なるべく外での運動を指導しましたが、実際は連日の猛暑で被災者からすれば「それどころじゃない」というのが本音だったと思います。それでも(公社)の会員は心理的な不安の解消になれば、と被災者の声にしっかりと耳を傾けての活動を継続してくれました。
「晴れの国」の名のとおりこれまで岡山県は大きな災害とは無縁でした。そんな中、災害直後から被災地に出向き、自らの意思のみで活動を開始してくれた会員に感謝するとともに、この活動に83名の会員が無償で参加してくれ、1,333名の被災者の方に柔道整復術を届けることができたこと誇りに思います。
 これは当会の会員だけでなく、大量の衛生材料を快く提供してくれたダイヤ工業をはじめ、関係者の方々のご協力のおかげです。ありがとうございました
 最後になりますが、この災害以降、倉敷市に隣接する浅口市と、今回大きな被害のあった矢掛町の2自治体と「大規模災害時の避難所における人道支援活動」の協定を締結させていただきました。
今回の反省を踏まえながら、地域の人のお役に立てる(公社)岡山県柔道整復師会になるために、これからも活動していきたいと思います。











全国公益活動開催報告西日本豪雨災害 岡山県柔道整復師会のとりくみ

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