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平成27年度 「滋賀県柔道整復学術大会」ならびに「生涯学習研修会」
平成28年2月7日(日)午後1時より、大津市ふれあいプラザ4階ホールにおいて平成27年度滋賀県柔道整復学術大会・生涯学習研修会が開催されました。当日は、小雪がちらつく寒い日であったが、本会の会員をはじめ会員外からの参加もあり会場は多くの参加者で満席となった。 開会にあたり川戸典知学術部長は、学術大会への参加のお礼と講師の先生へ謝辞を述べたあと「本日の講演は、我々柔道整復師にとってたいへん興味深い内容となっています。早速、明日からの施療に活かしていただけるものと確信しています」と述べられた。 第1部の学術大会は、公立甲賀病院副院長 脳神経外科部長の渡邊一良先生を講師に迎え 「手脚のしびれ・痛み あれこれ ―脳・脊髄の外科的疾患を中心に―」と題して行われた。講演では「腰・下肢痛(坐骨神経痛と類似症状)」「上肢症状(頸椎の脊髄症状と根症状)」「神経学的検査について」「脳脊髄圧減少症」などについてスライドを用いて説明された。日常の診察では、画像所見に流されることなく、問診で痺れや痛みの部位をしっかり聞き出し、それと腱反射の所見を照らし合わせ、責任病変を探すことが重要であると述べられ、打腱槌を使った頸椎、腰椎の神経学的テストとそのコツ、脊髄症状か神経根症状かの判別の仕方などを多くの画像を示しながら説明された。 第2部の厚生部主催の生涯学習研修会は、公益社団法人大阪府柔道整復師会 理事の河井好照先生をお招きし「柔道整復師としての、骨折、脱臼、筋、腱損傷へのアプローチ」と題してご講演いただいた。 講演では、我々柔道整復師の根幹でもある骨折、脱臼を中心に先生の長年にわたる臨床経験に基づいたお話しを実技を中心に論理的に解りやすく進められた。なかでも、肩関節脱臼について、整復は愛護的にしなければいけないという考えのもと、末梢牽引を行わず、筋肉を緩めた状態で骨頭を押さえる整復法を実演されました。 教科書に載っているヒポクラテス法、コッヘル法とは違い、関節唇、血管、神経の損傷に配慮した整復法に参加者はメモをとるなど、実際に一連の整復操作を再確認するなどして熱心に聴講されていた。また先生の「骨を接がずして、骨接ぎの看板は出せない」という言葉は印象的で、あらためて「ほねつぎ」としての自覚を再認識する貴重な講演であった。 以上のように、第1部、第2部ともにたいへん興味深く拝聴でき学術の研鑽がはかれた有意義な学術大会であった。 広報員 岡田博之
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