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【北海道】第31回北海道柔道整復専門学校卒後教育講演会
2017年03月16日
 平成29年2月5日(日)北整会館4階大講堂において北海道柔道整復専門学校卒後教育講演会が開催されました。開講式で萩原正和校主は第31回を迎えた卒後教育講演会の経緯について説明された後、このような講演会は全国的にも少なく、とても素晴らしいことであり卒業生は誇りをもって業務に励んでいただきたいと挨拶されました。

講演1「北見地域におけるSSH活動の現状と課題」
(公社)北海道柔道整復師会理事        尾崎  実先生
 
 はじめに北整で実施している医療救護ボランティアSSH(整骨・接骨・北海道)の活動では遠軽町婦人バレーボール大会、北見でのセブンズ(7人制)ラグビー大会、北見北斗高校強行遠足、網走マラソン大会などの詳細について、また地域連携では北海道警察北見方面本部と高齢者の安心・安全に関する連携協定、北見市の地域包括活動支援協力、紋別市と防災協定について説明されました。
続いて地域整骨院業務の周知活動等では日曜救急当番について、健康フェスティバルの開催(医師や鍼灸師と連携)においては整骨院コーナーでのスクリーニング・超音波検査による状態把握、トレーニング・ストレッチ・テーピング指導など説明されました。
 今後の課題として会員の参加意識の向上、平日等の依頼への対応、依頼の周知活動を挙げられ、さらにSSH活動の意義として柔道整復師の業務周知、地域活動へのサポート、応急手当などの自己研鑽の場、学習意欲の向上などが重要であると述べられました。

講演2「新しい運動生理学 −スポーツケアを中心に−」
北海道公立大学法人札幌医科大学医学部細胞生理学講座教授
         北海道柔道整復専門学校講師 當瀬 規嗣先生

 一般に乳酸は身体に溜まると痛みや疲れが出ると言われているがそれは100%間違いであると述べられ、嫌気的解糖系で乳酸は細胞の中に溜まらないことがわかっていて、もし細胞内に大量にあった場合、有酸素運動時に使うATP回路の中に入って燃焼される。筋肉は乳酸を外に出す筋肉(速筋)と乳酸をエネルギー源にする筋肉(遅筋)の2種類に分けられるのが今の考え方であると説明されました。
 筋肉痛はランニング中などに起こる急性筋肉痛、ランニング後しばらくしてから生じる遅発性筋肉痛、筋線維を断裂する肉離れに分けられる。遅発性筋肉痛の説明では運動終了後数時間から数日後に現れ、乳酸は運動停止後数十分で消失する。筋肉痛は筋線維や結合組織に微細な傷がつき損傷部分を修復しようと白血球が集まり炎症を起こし刺激物資が生産され痛みを感じる。筋肉を酷使すれば筋肉は緊張して血管を圧迫、酸素が不足し血管内に疲労物質が蓄積し神経を刺激してそれが脳に伝わり痛みを感じると述べられ、この場合に効果的なものとしてストレッチや入浴による血行改善、充分な休息について詳しく説明されました。

講演3「スポーツによる上肢の障害」    
北海道整形外科記念病院理事・副院長     近藤  真先生

 はじめにスポーツによる肘障害の痛みとして外側障害では肘離断性骨軟骨炎(OCD)、内側障害では上腕骨内側上顆炎、上腕骨内側上顆裂離、MCL損傷、肘部管症候群について、後方障害では肘頭骨端離開(閉鎖不全)・肘頭疲労骨折など説明されました。
 続いて肩周辺の痛みでは外側の上腕骨近位骨端離開、後方の後方関節包の拘縮、その他肩腱板損傷、インピジメント症候群、神経障害(肩甲上神経・腋窩神経)、上腕二頭筋長頭腱(SLAP lesion)・関節唇複合体損傷について説明されました。
 まとめとして肩肘に負担のかからないようにするには股関節(特に内旋)をやわらかくすることが必要であり、硬いと軸足側にためができない踏み出す足がアウトステップになりその結果体が開き肩肘に負担がかかると説明され、肩肘の障害予防としてストレッチングでは特に肩は内旋、肘は屈筋群、股関節は内旋が重要であると述べられました。
 講演会終了後、同会場にて懇親会が開催され参加者は教員や同期生達と近況報告など交わしました。
北海道広報部 倉橋 孝











第31回北海道柔道整復専門学校卒後教育講演会

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