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平成29年1月22日(日)ホテル金沢において、講師に木島病院勤務柔道整復師の木村慎之介先生をお招きし標記演題で一般公開講座が開催された。 先生は、北國銀行ハンドボール部女子選手17名中、前十字靭帯(以下ACL)を断裂した選手7名の、ACL損傷の予防法について、2012年から予防プログラムを組んでトレーニングを行っていることについて講演された。 ACL断裂は非接触で起こることが多く損傷機転として、昔は膝内反+外旋で起こるのではといわれていが、今は膝外反+内旋+圧迫で断裂を起こし易く、足を着地して0.04秒後に断裂する事が分かってる。また踵の後内側部で接地すると外反内旋の外力が加わりやすく断裂しやすく、合併症として脛骨外側部での剥離骨折(Segond骨折)がよくみられると説明された。
診断のポイントとして 〇受傷機転を聞き逃さない 〇受傷直後、血腫がないことが多い 〇受傷1週間は理学所見が取れない 〇MRI検査が有用であること 術後膝蓋上包部分の癒着により膝関節屈曲制限を、膝蓋下脂肪体部分の癒着によって伸展制限を起こすため、そこを充分に考慮しリハビリを行っているがどうしても改善がみられない場合は内視鏡による授動術を行う。
ACLリハビリのプロトコルとして 〇術直後〜 伸展位の獲得・セッティング・炎症管理の徹底 〇1週間〜 全荷重歩行訓練 〇4週間〜 CKCエクササイズ、バイク 〇2〜3カ月 完全伸展獲得、ジョグ開始 〇3カ月〜 ダッシュ、サイドステップ 〇4カ月〜 アジリティ、ジャンプ 〇5カ月〜 対人練習開始 〇6カ月〜 競技復帰
リハビリ後、独自に復帰基準を設けて競技に復帰させ、ACL損傷を起こさないようにいろいろな観点からトレーニングを行っているが、今、特に大殿筋の統合的トレーニング(股関節屈曲内旋運動)を重点的に行い、膝の外反内旋動作が起こらないようにして、予防を目的とした統合的トレーニングの原則としている。〇短縮性収縮、伸長筋収縮、等尺筋収縮トレーニング 〇矢状面、前額面、水平面トレーニング 〇複数の方法を用いてトレーニング(ダンベル、バーベル、ボール等) 〇各要素を網羅したトレーニング(コア、バランス、ストレングス等)を取り入れていると説明された。
講師 木村慎之介 先生 木島病院勤務 柔道整復師 日本体育協会AT 北國銀行ハンドボール部トレーナー
広報員 佐藤裕之
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