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【北海道】全国公益活動開催報告第32回北海道柔道整復専門学校卒後教育講演会【平成30年2月18日開催】
2018年03月15日
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第32回北海道柔道整復専門学校卒後教育講演会


平成30年2月18日(日)午前9時30分から、北整会館4階大講堂において北海道柔道整復専門学校卒後教育講演会が開催されました。
 西巻英男教務主任の司会で、はじめに石川紀道名誉教頭より開会の辞が述べられ、続いて校主挨拶で萩原正和北整会長は「今回は特別企画としまして工藤鉄男日整会長のご講演を賜りました。現在さらに今後柔道整復師業界がどのような方向に進んでいくのかという大事なお話であり、本来卒業生が聞くことのできない重要な内容ですので、しっかり勉強していただきたいと思います」と述べられました。続いて校長挨拶で加藤貞利校長は「医療人は生涯教育、一生 勉強し続ける態度が必要であり、患者さんに学び、先達の方々のお話を聞くことは人間性や技能を上げるうえで大事であります。本日出席された卒業生はさらに立派な柔道整復師になられると思っています」と述べられました。ご来賓挨拶では新たに会長に就任された筒井寛幸同窓会会長より開催される講演会に対し感謝の言葉を述べられ、また同窓会活動では会員相互の親睦をはかること、附属学校の発展を助成するという目的があるとして、そのために先ずは同窓会会報の改善を進め学校の情報を詳しく伝えていく考えを述べられ、ご理解・ご協力を求め挨拶とされました。


講演1「名寄ブロックの歴史と現在の近況報告」
            (公社)北海道柔道整復師会理事 辻内 栄一先生

 はじめに名寄ブロックを構成する地域の紹介があり、歴代の支部長及び併合後のブロック会長を務められた方々の紹介、続いてブロック会員数の流れと年間行事を報告されました。
続いてボランティア活動であるSSH(整骨・接骨・北海道)の活動報告として歩くスキー大会、スポーツ指導研修会、柔道大会の活動内容の報告後、昨年釧路市で開催された北整少年柔道大会で団体優勝した「士別誠心館道場」が全国大会でも健闘されたことや10月に行われた北海道防災実動訓練において各省庁・関係機関や町民に柔道整復師会の活動をアピールできたこと、さらに稚内市と結んだ災害協定の報告と全道総会、北整親睦ゴルフコンペに参加された方々へ感謝の言葉を述べられ講演は終了となりました。


講演2「現執行部の行動と創造」
          公益社団法人 日本柔道整復師会会長 工藤 鉄男先生

はじめに現執行部は柔道整復師業界の回復のため教育改革と制度改革に力を入れているとして、日本柔道整復師会の仕事は1.業界の進み方について問題を修正2.開業者の収入確保のため診療報酬改定の戦い3.各地域における社会的ボランティア活動・災害協力・スポーツ活動への協力の3本柱をもとに国(厚生労働省)と交渉していくことであると述べられ講演がスタートしました。
-時代の潮流における「潮目」を読む-では施術所の開業権、個人契約者の誕生(昭和63年)、福岡地裁における柔道整復師養成施設不指定処分取消請求事件では判決(平成10年8月)以降、規制緩和となり全国での養成校の乱立、柔道整復師の劇的な増加へと進んだ経緯について説明されました。
 -平成25年〜柔道整復師業界安定のために-では公益社団法人化、名称統一の取り組みについて報告され、改革に必要な力として個の力(柔道整復師)、集団の力(柔道整復師会)、政治の力(国会)が重要であると述べられました。続いて改革における政治力の必要性・組織の充実では日本柔道整復師連盟の全国組織機構として政治活動3層システムの創設、厚生労働省との信頼関係構築について、柔道整復師業界の信頼と秩序の回復では柔道整復療養費検討専門委員会、柔道整復師学校養成カリキュラム等改善検討会の両審議会での検討結果として平成28年10月1日付柔整療養費料金改定の実施、施術管理者の要件の新設、公的審査会の権限強化、審査基準の明確化、電子請求に係るモデル実施、臨床実習施設、超音波観察装置について報告され、さらに災害対応への新たな仕組みの確立としてDJAT(柔道整復師災害救護チーム)の活動、帰一(きいつ)精錬賞の新設と初表彰、モンゴル国への公益事業集大成について説明されました。
-公益社団法人日本柔道整復師会の現在の取り組み-では短期的な課題として会員のための支援、日本伝統医療の伝承、機能訓練指導員柔道整復師の対象拡大、医師と柔道整復師の連携、柔整療養費制度に係る対応について、長期的な課題として柔道整復師法改正への政策展開、柔道整復師全員が加入する団体の設立、厚生労働省への研修生の派遣について説明されました。
 最後に3つの大きな使命として1.業界秩序の再構築2.信頼関係の再構築3.伝統と改革のバランス構築を掲げ「北海道柔道整復師会の会員皆さまが益々地域の人たちに貢献できるよう、今後も色々と発信していきます。皆様もぜひ北海道の柔整業界のために協力していただき、皆で繁栄していただければ有難いと思います」と話され講演を終えられました。

講演3「膝関節のスポーツ障害」
      医療法人社団悠仁会羊ケ丘病院院長 倉  秀治先生

 開口一番、整形外科の先生とコミュニケーションする上で役に立つ内容ではないかと話され講演が始まりました。まず、講演内容の説明とイラストによる骨、内・外側側副靭帯、前・後十字靭帯の再確認後、動画をもとに前十字靭帯(ACL)損傷の単独型や複合型の受傷機転や診断ポイント、各種テスト法を説明され保存治療の適応範囲や手術治療の適応及び方法を述べられました。
 続いて半月板損傷ではスポーツ選手の実傷例を紹介しながら、手術時は血流の3分の1法則による放置・縫合・切除のどれかになる半月板断裂の形態と主な症状を説明され、診断テストとして各種説明後、倉先生オリジナルの伸展強制テストを動画で紹介していただきました。
 次に円板状半月では生まれつき大きく厚く外側に多いことや小児の半月板損傷のほとんどがこれに該当し、広範囲切除ではOAになりやすいが臨床的には80%が満足し、縫合に於いても同等の満足を得られている。また基本概念として老人などの変性半月は残さないようにしっかり取り、若い人はできるだけ縫合するが縫っても100%治るとは限らず再手術になる場合もあると述べられました。
次に後十字靭帯(PCL)損傷ではプロ野球選手が断裂しながらもスポーツを続けていられることや、原因として交通事故などが多く徒手検査方法と大腿四頭筋による代償機能があること、後十字靭帯と他の靱帯(外側側副靭帯等)が断裂した際の難治例も紹介されました。
 膝蓋骨脱臼・亜脱臼は幼少時からの恒久的、習慣性、外傷による反復性やアライメントの異常や若い女性に多いとされ、離断性骨軟骨炎では外顆病変時には円板状半月の合併が多いことやDrillingが有効で治癒が期待できるとし、棚障害においても手術の適応性など説明され講演は終了となりました。

(広報員 高山 訓正)












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