H12税制改正概要

 

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税務委員会

青色申告控除額の増額

正規の簿記にしたがって記録しているものに対する青色申告控除額が45万円から55万円と10万円引き上げられます。

ただし、簡易な簿記の方法による記録をしている場合には、現行通り45万円に据え置かれる。

特定情報通信機器の即時償却制度の延長

青色申告である個人事業者が、平成11年4月1日から平成12年3月31日までの間に、取得価格100万円未満の特定の通信情報機器の取得等をして、これをその個人の事業の用に供した場合には、その事業の用に供した事業年度の金額の計算上、その取得価格の全額を必要経費に算入することが認められる即時償却制度が、平成13年3月31日まで延長されます。

この制度の適用対象となる特定情報機器は、(イ)電子計算機、(ロ)デジタル複写機、(ハ)ファクシミリ、(ニ)デジタルボタン電話設備などで、一定の用件を具備したものとされている。

電子機器設備を取得した場合等の特別償却又は特定税額控除制度の適用期間が、平成14年3月31日まで延長されます。

住宅ローン控除制度の改正

住宅取得資金のローン控除の規定が、平成13年1月1日から同年6月30日までの間に所定の用件に該当する建物を住居の用に供した場合には、控除期間、控除率が変更となります。

特定扶養親族に係る扶養控除の特例の廃止

(年少扶養控除の廃止)

年齢16歳未満の扶養親族に係る所得控除額が、現行48万円から38万円に、10万円引き下げされます。

 

[青色申告の特典]

1.青色申告特別控除

青色申告者が、その事業につき明瞭に記録している場合には、これらの所得の金額から次のいずれか低い金額を青色申告特別控除することができる。

(1)正規の簿記の原則に従って記録されているもの・・・・・・・・55万円

簡易な簿記の方法によるもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45万円

(2)不動産取得の金額又は事業所得の金額の合計額

 

この特別控除の適用を受けようとするは、確定申告書に

(1)この特別控除の適用を受けようとする旨

(2)この特別控除の適用を受ける金額の計算に関する事項の記載があり

(3)上記により記録された帳簿書類に基づき作成された貸借対照表、損益計算書、その他不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算に関する明細書の添付がある事

(4)確定申告書を提出期限までに提出した場合に限り、適用される

青色申告特別控除を適用するに当たって、平成14年までの各年分の所得税について、その事業に係る一切の取引の内容を、正規の簿記に従って整然とかつ明瞭に記録することが困難である場合には、簡易方式により記録してある場合であっても、確定申告書にその記録に基づき作成された損益計算書その他不動産所得の金額または事業所得の金額の計算に関する明細書に加え、貸借対照表の添付があれば青色申告特別控除の適用が認められる。

上記の特別控除を受けない青色申告者については事業所得等の金額から次の金額のうちいずれか低い金額を青色申告特別控除として控除することができる。

(1)10万円

(2)不動産所得の金額、事業所得の金額また山林所得の金額の合計額

2.青色事業専従者給与

青色申告者と生計を一にする配偶者やその他の親族(15歳未満の人は除く。)に対する給与については、これらの人が専らその青色申告の営む事業に従事していることを条件として、労務の対価として相当であると認められる金額が必要経費に算入される。

(注)青色事業専従者を、配偶者控除または扶養控除の対象とすることはできない。

この取扱いを受けるためには、原則として1年のうち6ヶ月を超える期間その親族が青色申告者の経営する事業に従事することが必要ですが、学生や他の職業を有するような人の場合には、原則としてその学生であり又は他の職業をもっている器官は、たとえ事業に従事していても専従している期間に含まれない。

青色専従者給与を必要経費に算入するには、「青色申告承認申請書」とともに、専従者の給与の額、支給期など必要な事項を記載した「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署に、その適用を受けようとする年の3月15日までに届出受理されなければならない。また必要経費に算入される金額は、その届出書に記載されている方法に従って支給され、かつその記載されている金額の範囲内で支給されるものでなければならない。

(参考)

白色申告者の事業専従者の場合には、配偶者については86万円、配偶者以外については1人につき50万円をその事業の所得の計算上、控除することが認められている。ただし、その白色申告者の事業所得等の金額を専従者の数に1を加えた数で除した金額が86万円または50万円より低い場合には、その低い金額までしか控除することができない。

 

<監修・徳重寛之>